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Point

1.はじめに


ポイント:

在宅療養者には、感染症にかかりやすい状態にある方が少なくありません。
そこで、すべての在宅療養者、家族、在宅ケアスタッフが感染対策に関する正しい知識を共有し、適切な感染対策を行う必要があります。

■在宅ケアの重要な役割

在宅ケアは、近年の医療保健福祉において重要な役割を担っています。高齢化が進み医療費が増大するにつれ、病院への入院日数をなるべく短縮することが社会的な課題となり、また、患者QOL(生活の質)を高めるためにも早期社会復帰が求められることから、以前よりも早めに退院して、自宅や福祉施設などで療養あるいはリハビリテーションを行う方々が、特に高齢者において増えつつあります。


■感染しやすい在宅療養者

高齢は一般成人よりも細菌やウイルスなどの微生物に感染しやすい可能性があり、何らかの病気や障害によって体力が低下している場合には、特に微生物に感染しやすい状態*となることが多いものです。

また、点滴や喀痰吸引など在宅で医療処置が行われる場合には、処置そのものが感染症をまねく可能性があり、高齢者でない場合でも、感染対策に十分注意する必要があります。


【専門用語】* 易感染状態


■感染対策と消毒における目的と役割

在宅ケアスタッフが日常的に行う感染対策と消毒の主な目的は、在宅での医療処置によって在宅療養者の体内に微生物が侵入してしまうのを防ぐことにあります。

特に、血管にカテーテルを挿す場合には、そこから微生物が侵入しやすくなるため、カテーテルの衛生管理を厳密に行い、挿すところの皮膚を消毒して微生物の侵入を防ぎます。

粘膜に接触する器材やネブライザーなども、直接の侵入経路となるため、衛生管理を行い、定期的に消毒するなどして微生物で汚染されないように保ちます。

そして、これらの器材を取り扱ったり、在宅療養者を直接ケアする家族、在宅ケアスタッフの手も、微生物を在宅療養者の体内に入れてしまう危険性のある重大な経路であるため、そのつど手洗いや手指消毒をして手指の衛生を確保します。

一方、在宅ケアが行われる環境、家族・在宅ケアスタッフ、そして在宅療養者自身から微生物を除去しても、微生物をゼロにすることはできません。

感染対策と消毒の主な役割は、それらが在宅療養者の体内に侵入する経路のどこかを断ち切ることにあります。


■在宅ケアに関わるさまざまな人々

在宅ケアは、在宅療養者の家族による日々のケア、病院で行われるのと同じ医療処置を家庭で行う在宅医療、保健施設を利用したリハビリテーションやケア、介護支援センターなどからの生活支援によって構成されています。

そのため、在宅ケアスタッフは在宅療養者自身とその家族、通院する医療機関の主治医、訪問看護ステーションの看護師、支援センターからのヘルパー、関連施設の職員、保健所の保健師など、多岐にわたります。


■感染予防に関する正しい知識の共有を

在宅療養者が在宅での医療処置を原因とする感染症にかからないようにするためには、家族・在宅ケアスタッフが適切に感染対策を行い、また互いに支援する必要があります。

そのためには、すべての関係者の間で感染予防に関する正しい知識を共有することが重要であると思われます。


■余計な心配は無用

また、感染症について必要以上に心配をし、在宅療養者やその家族が余計な不便をこうむってしまうことも避けなければなりません。

感染予防に関する正しい知識をもとに、不必要な心配や不便をせず、在宅療養者とその家族が快適に生活できるようにすることも重要です。


■このコーナーの目的と対象

このコーナーは、以上のような観点から、在宅療養者とその家族、およびヘルパー、訪問看護師などあらゆる在宅ケアスタッフの方々を対象として、在宅ケアにおける感染対策について説明するものです。

どなたにもわかりやすいよう、一般になじみのうすい専門用語はなるべく避けてあります。

なお、訪問看護師など在宅ケアに関わる医療従事者のために、適宜、注書として専門用語を添え、エビデンス(実証的な根拠)に基づいた医学的な解説へのリンクも付け加えてあります。



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