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Point

4.微生物の侵入を防ぐための主な方法(2)

   -ケアに用いる器材と薬液の衛生管理-

ポイント:

カテーテルやネブライザーなどの器材やケアや処置に使う薬液は、それが在宅療養者の体のどの部分に接触するのかによって、衛生管理の仕方が大きく異なります。
血流に入るものは厳密に管理する必要があり、粘膜に接触するものも注意して管理する必要がありますが、正常な皮膚にしか接触しないものは通常の衛生を保つことで十分です。

■血流などに入る器材や薬液の厳密な管理

血管カテーテル、注射針、輸液などの注射薬は、直接、無菌である血流や皮膚の下の組織に入るものですから、必ず無菌でなければなりません。輸液などの注射液が接触する輸液ルートの内面や注射シリンジの内面も同様です。

これらを挿入する処置やセットする操作は、無菌操作法(微生物で汚染させることがないように注意して行う特別な操作法)で行う必要がありますので、通常、医療従事者が行います。


これらの器材* や薬液のほとんどは、メーカーにおいて滅菌処理(熱などをかけて無菌にする処理)がされていますので、開封するまでは無菌が保証されています。しかし、開封し使用する操作において在宅ケアスタッフなどの手指や周辺の物に触れてしまうと、微生物で汚染されてしまうことに注意が必要です。

また、一度使用して取り外したものは、微生物で汚染されている場合があるため、再利用することは原則として避けなければなりません。どうしても再利用せざるをえない場合には、医療機関において滅菌処理します。


【専門用語】* クリティカル器具
【医療従事者のためのリンク】器具および環境の衛生管理  クリティカル器具の滅菌


■粘膜に接触する器材や薬液の衛生管理

吸引カテーテルなど粘膜に接触する器材* や粘膜に使う消毒薬などの薬液は無菌であるか、なるべく無菌に近い状態** である必要があります。

ネブライザーの加湿水タンクの内部など、そこにあった水が飛散・噴霧され咽喉などの粘膜に付着するものも、粘膜に接触する器具として考える必要があります。加湿水も粘膜に使う薬液に入ります。


粘膜に接触する器材や薬液の多くは、メーカーにおいて滅菌処理などが行われていますので、開封するまでは無菌または無菌に近い状態が保証されています。しかし、開封し使用する操作において在宅ケアスタッフなど手指や周辺の物に触れてしまうと、微生物で汚染されてしまうことに注意が必要です。

なお、吸引カテーテルなどは、使い捨てが原則ですが、一定期間の間、同じ在宅療養者のために繰り返し再利用されることがかなり見られ、それらをなるべく無菌に近い状態に保つため、消毒薬に漬けて、あるいは乾燥させるなどして保管します。

ネブライザーの加湿水タンクの内部などは、熱水や消毒薬により定期的に消毒します。粘膜に接触する器材は、再利用する場合でも、原則としてひとりの在宅療養者に専用としなければなりませんが、他の在宅療養者に再利用せざるをえない場合は、医療機関で滅菌処理するか、厳密な消毒を行います***


【専門用語】* セミクリティカル器具 ** 滅菌または高水準消毒などをされた状態 *** 原則として高水準消毒(例外的に中水準消毒でもよい場合もある)
【医療従事者のためのリンク】器具および環境の衛生管理  セミクリティカル器具の消毒


■皮膚のみに接触する器材や生活用品の衛生管理

在宅療養者の正常な皮膚にのみ接触する器材* や生活用品(点滴柱、松葉杖、車椅子、食器、衣服、寝具など)については、原則として消毒をする必要がありません。洗浄・清拭・掃除などにより、通常の衛生を保てていればよいと考えられています。

ただし、在宅ケアスタッフが同じ器材を、複数の在宅療養者に使用する場合には、療養者毎に消毒する必要のある場合** があります。


【専門用語】* ノンクリティカル器具 ** 血液などが付着した場合、および接触予防策の必要な場合
【医療従事者のためのリンク】器具および環境の衛生管理  ノンクリティカル器具の衛生管理 物品の衛生管理 標準予防策と接触予防策 ―器具・環境―


■居住環境の衛生管理

在宅療養者の生活する室内、洗面所、浴室、トイレなどの居住環境は、通常の清掃が行き届いていれば特に問題ありません。

しかし、ほこりが舞い上がったり、カビが繁殖しているような不潔な環境は、在宅療養者にとって感染の可能性が高い不適切な環境であるといえます。なるべく水拭きによって清掃を行い、ほこりをたてないようにすることが望まれます。とはいえ、在宅療養者が特殊な感染症にかかっている場合をのぞき、室内の消毒を行う必要はありません。


【医療従事者のためのリンク】器具および環境の衛生管理 環境の衛生管理 標準予防策と接触予防策 ―器具・環境―



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