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Point

8.在宅ケアにおいて注意する感染症


ポイント:

在宅療養者が、もともとの病気以外の感染症にかかってしまう場合もあります。それが感染性の強い感染症である場合には、家族や在宅ケアスタッフとその担当するほかの在宅療養者に伝播する可能性に注意して、感染対策をする必要があります。


■インフルエンザなど

インフルエンザは、インフルエンザにかかっている人が咳やくしゃみなどをするときに飛び散る小さなつば* に含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことで、ほかの人にうつります。ですから、インフルエンザにかかっている在宅療養者をケアする在宅ケアスタッフは、マスク** をする必要があります。

このようにケアする人にマスクの必要となる場合のある感染症としては、風疹(ふうしん)やおたふくかぜ(ムンプス)*** があります。ただし、風疹やムンプスに対して、ワクチン接種や感染の経験により免疫を獲得している在宅ケアスタッフの場合には、あまり心配の必要はありません。

なお、インフルエンザについては、流行するインフルエンザウイルスの種類が毎年のように変わるので、在宅ケアスタッフには毎年インフルエンザワクチンの接種を受けることが薦められています。


【専門用語】* 飛沫 ** サージカルマスク *** 流行性耳下腺炎
【医療従事者のためのリンク】飛沫予防策  インフルエンザ 風疹とムンプス


■結核など

結核は、重い肺結核にかかっている人が咳や大きな声を出すときなどに放出されて、室内の空気中をただよう結核菌をほかの人が吸い込むことでうつります。ですから、このように結核菌を放出してしまう人は誰でも、専門の病院に入院しなければなりません。*とはいえ、結核にかかっていても、結核菌を放出しない場合が多く、そのような人は入院の必要がありません。また在宅ケアを受ける場合であっても、多くの場合、特別な対策は基本的に必要ありません。
このように、人から室内の空気中に微生物が放出されることでうつる感染症としては、はしか(麻疹)や水ぼうそう(水痘)などがあります。はしかや水ぼうそうは、多くの人が子供のころに経験する通常は軽い感染症であり、入院が必要になることはほとんどありません。しかし、はしかや水ぼうそうに対して、ワクチン接種や感染の経験により免疫を獲得しているという自信がない在宅ケアスタッフは、自分自身とその担当するほかの在宅療養者を感染から守るため*、はしかや水ぼうそうにかかっている在宅療養者のケアをするべきではありません。


【専門用語】* 空気予防策
【医療従事者のためのリンク】空気予防策 結核 水痘と麻疹


■接触により伝播する感染症

はやり目* は、それにかかった人の涙などから、牡蠣(カキ)などによる食中毒** は、それにかかった人の便などから、とても効率的に伝播します。

それらに直接、あるいは物などを通じて間接的に触れた人の手などを経由して、ほかの人にしばしば伝播します。これらの感染症にかかっている在宅療養者をケアする在宅医療スタッフは、病院におけるのと同様の、厳密な感染対策*** を行う必要があります。在宅療養者の家族も、自分自身を感染から守るための注意をすることが薦められます。

このように接触によって伝播しやすい感染症で、感染力が強く、症状が重くなることの多い感染症としては、大腸菌0-157**** による感染症などがあります。もしもそのような感染症にかかった場合には、特別な感染対策を行う必要があります。場合によっては、入院の必要があり、就業に制限がかかることもあります。

MRSAも接触により伝播する微生物ですが、感染力という意味でも、一般人に対する病原性という意味でも、上記のような強い病原菌にくらべると、あまり特別な注意のいらない微生物であるといえます。


【専門用語】* 流行性角結膜炎 ** 典型的にはノロウイルスによる感染症 *** 接触予防策 **** 腸管出血性大腸菌
【医療従事者のためのリンク】流行性角結膜炎 ノロウイルス 腸管出血性大腸菌 感染症予防法などの法的制度


■在宅ケアスタッフ自身の感染症

在宅ケアスタッフ自身が、インフルエンザ、ムンプス、はしか、はやり目などの感染症にかかってしまった場合には、担当する在宅療養者を感染から守るために、一時的にケアからはずれるべきです。


【医療従事者のためのリンク】職業感染と就業制限



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